キッズマジシャンにとって最も恐ろしい年代は、よく「tween」と言われている。
だいたい8~12歳を指すのだが、この年齢の子たちは、色々なことを「知っている」から難しいのだ。
仮にマジックを演じても全てを「知っている」彼らは、
「あれ裏ではああいう風になっているんだよ!」
と親切に大声でタネを教えてくれるのだ。
この場合、マジシャンを困らせることが目的の場合が多い。
大体間違っているんだけど、もし合っていた場合、マジシャンは家に帰って枕に顔をうずめて、
「キーーーーッ!!くやしいーーー!!!んだよもぉーーーーー!!!」
と叫びながら泣くのだ。
これはマジシャンにとって非常に恐ろしいことである。
そういう場面に僕も何度か出くわしたことがあるが、僕なりの対処法がある。
大声でタネを教えてくれる集団をよくよく見ると、特に声の大きい子がだいたい1人か2人いるのだ。
「そのマジックのタネは※※※なんだよ~!」
と叫ばれた瞬間、僕は
「えっ?※※※なの!?知らなかった!じゃあこっち来てやって見せてよ!」
と言ってその子をステージに上げしまうのだ。
するとどうだろう。
さっきまで意気揚々と大声でタネをバラしていたのに、ステージに立った瞬間にモジモジしながらチンコをいじり始めるではないか。
そして実際に道具を渡して演じてもらうのだが、当然出来るはずもない。
しかしそのまま返してしまうのも恥をかかせてしまうだけである。
そこで簡単なやり方を教えてあげて、実際に演じてもらい、成功させて拍手を貰うのだ。
そうしてからステージを降りてもらう。
するとどうだろう。
彼は静かになり、一緒に騒いでいた子もタネをバラす事はほとんどなくなる。
何故ならタネをバラすとステージに上げられるからだ。
その後はいつも通りマジックを演じればいいのだ。
大体これで成功するが、時々更に騒がしくなって収集がつかなくなってしまうこともある。
もしそうなったら家に帰って枕を濡らすしかないのだ。