広場で練習中、足元に割と大きめのアリの巣の穴があった。
地面を凝視する男性は側から見るとスラム街の廃人なので、周りを見渡して人がいないことを確認してからアリの巣を観察。
しばらく見ていると巣作りするアリにも色んなのがいることに気づいた。
まず大きい石を運ぶ働きアリ。
会社だと間違いなく有能。
高級腕時計を付けている。
小さい石を運ぶ無能アリ。
仕事中エクセルを開いたり閉じたりしてひたすら時間が過ぎるのを待つ万年平社員。
巣作りを放棄して少し離れたところでじっとしている超無能アリ。
実家で無限に流れるショート動画をひたすら観て1日を過ごす自宅警備員。
アリ社会にも人間社会のようなコミュニティが存在しているようだ。
もし自分がアリだったらどうだろう。
作業しているアリを後目にエリア外を散歩して、偶然目の前に停まっていた車になんとなくよじ登ってみたら車が急発進してしまい、降りれなくなってそこから数十キロ離れた謎の場所で落ちて晩年まで一生を過ごすタイプかもしれない。
コンテナにたまたま乗って流れ着いたヒアリと似ている。
前にも書いたけど、大学3年生になった時に同級生が青白い顔でスーツを着て学校の中を歩き回っていたのを見て、マジで何をやってるのか分からなかった。
だいぶ後になって彼らは就職活動をしていたんだと知ったんだけど、なんで4年じゃなくて3年の時に就職活動をしていたのかは未だに謎だ。
それくらい氷河期だったのか、はたまたそれが普通だったのかは興味が無さすぎてこの先調べることもないけど、そういう面でも自分は巣作りで石を運ばないし運べない。
なにより今はおたまじゃくしを育てるのに忙しい。