怪談

小学校低学年の時、家の近くには少しガラの悪いヤンキーの先輩ばかり住んでいた。
自分はよくその年上の人たちと一緒に遊んでいたんだけど、ある日「怖い話聞かせてやるよ」と言われて、いつもパンツが黄ばんでいた友人のタケと俺は聞きたくもない怪談を聞かされることになった。
「いいか、この話を聞いた時点で今日の夜必ず俺が話した内容の夢を見る。その夢には色んな選択肢が出てくるから、必ず今から俺がいう選択をするように。じゃないと死ぬからな」
と言われて心底怖くなった。
隣で聞いていたタケは今にも泣きだしそうな顔をしていた。
詳しい話の内容は忘れてしまったが、ググってみると俺が聞いた内容とほぼ一一致する怪談があったので転載する

総文是(そうぶんぜ)の話

まずどこかの町で目が覚める
まっすぐいくと駅がある
そこには三つの改札がある
二つはきれいだけど一つは汚い
汚い方を使え
出るとベンチにくまさんの人形があるからそれを取れ
そしたら電車が来る
乗ると女の人がいる
女の人の顔は見てはいけない
女の人は電車から降りるが、あなたは降りてはいけない
いっぱいイスがあるが座ってはいけない
そしてまたベンチに女の人がいる
くまさんの人形を裏側にして置く
改札を通ると赤色の鳥居がある
そこをくぐると目が覚める

俺とタケは必死で選択肢を覚えながら聞いていた。
間違えると死んでしまう。
本当に怖かった。

そして最後に先輩が一言。

「最後に寝るとき、総文是(そうぶんぜ)を逆から読んでください
そうぶんぜ ぜんぶうそ
全部嘘!
ぜんぶウソでしたー!
わはは!怖かった!?

…いやいや、ぜんぶうそじゃねーよ!
怖えーよ!
全部うそだったとしても死ぬほど怖えーよ!

それからしばらくその話が頭から離れなかった。
その後少しでも自分の恐怖を共有してもらうために、次の日から友達みんなに同じ話をしたのを覚えている。

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