露天風呂

昨日は近くの温泉でのんびりしてきた。
露天風呂に入って空を見ながらぼーっとしていると、割と空いているにも関わらず俺の近くにおじさんが入ってきた。
「近っ!」と言いそうになったけど、無視して目を閉じていた。
なんか視線を感じるなーと思ってそーっと目を開けて見ると、おじさんは身体ごと俺の方を向いていて、俺の顔をじーっと見ていた。
顔を手で覆って笑いを堪えていると、まるで種から芽吹いた若葉がミリ単位で成長するように、ものすごくゆっくりな速度で俺に寄ってきているのに気がついた。
「えっ?気のせいだよな」と思って指の隙間からおじさんを見ると、こちらを凝視しながら間違いなく近づいてきている。
今は若葉だけど、やがて開花しておしべが云々になってしまったら手遅れだと思って、そそくさと露天風呂を出た。
もうちょっとゆっくりしたかった。

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