今日は真面目にマジック道具制作に励んだ。
書いた顔の絵が動きだし、その絵が子どもの引いたカードを当てるというもの。
もう数年前から作っている園児向けマジックなんだけど、一つ問題点がある。
現象が複雑なのだ。
子ども向けマジックを演じる上で最も大事なことの一つである「一言で言い表わせられるマジック」に反するのだ。
つまり、「一言で言い表わせるマジック」である必要があるのだ。
大事なことなので2回言った。
「ハンカチが消える」とか「杖から花が生える」などは非常にシンプルで、子どもにも理解できる。
しかし、「書いた絵が動き、子どもが選んだカードを当てる」となると、少々現象が複雑だ。
以前にも書いたが、とあるマジックショーで、お客さんの引いたトランプの絵柄を10分に渡る物語を語りながらストーリー仕立てで当てるマジシャンがいた。
しかし10分後には誰も引いたトランプの絵柄なんて覚えていなかったのだ。
これは大人向けのマジックショーでの珍事だが、たとえ大人向けでも複雑で難解なマジックを演じるのには疑問が残る。
恋も一緒だ。
好きになったら「好きです」と火の玉直球勝負すればいいのだ。
共通の友達に自分の気持ちを伝えてもらうなんていう、高校時代の僕みたいなことをしてはいけない。
話は戻るが、今作っているこのマジックの問題を解決するために、一つアイディアが浮かんだ。
現象を分けてしまえばいいのだ。
つまり、
「書いた絵が動き、子どもが選んだカードを当てる」
のではなく、
「書いた絵が動く」マジックと、「子どもが選んだカードを当てる」マジックに分けてしまうのだ。
まず「書いた絵が動く」マジックを演じ切る。
ここで「動く絵」は一人の個性あるキャラクターとして確立してしまう。
そこで一旦区切り、次に「子どもが選んだカードを当ててもらう」。
つまり、複雑なマジックを分解して2つに分けてしまうのだ。
このマジックの分解は演者の間が悪いと分解できない恐れがあるので、ある程度マジシャンの技量が問われる。
間を取るのが苦手な僕にそれができるだろうか。