源湯

僕がよく行く銭湯の奥には源湯の湯船があるんだけど、ここがとにかく熱い。

10年以上前に初めてこの銭湯に来て、知らずに源湯に入った時は、本気でマグマかと思った。

この銭湯に初めて来た新参者は、源湯に足を入れて小さな悲鳴をあげて出ていく。

その光景を見て、僕はいつもニヤけている。

ただ僕がよく話す常連のじいちゃんはこの湯船に肩まで平気で浸かっている。

出てきたところで、

「熱くないんですか?」

と聞いたら、

「全然熱くないよ。俺はこの源湯に毎日入ってるお陰で、ここ20年1回も風邪ひいたことないわ。」

と言った。

最近よく風邪をひくので、これはいい事を聞いたと思って久々に源湯に入ったんだけど、昔と変わらず死ぬほど熱かった。

ただここですぐに出てしまったら、僕が今まで笑ってきた新参者と変わらないと思ったので、我慢して肩まで浸かった。

感覚的には熱いというより、身体中を無数の針で刺されたような感じで、だんだん皮膚感覚が麻痺してきた。

お花畑が見えてきたので、これはまずいと思ってすぐに出た。

ぬるい方のお湯に浸かりながら、僕が単に暑がりなのかな〜と思っていたら、ちょっとホモっぽい青年が源湯に足をチャポンと入れて「キャッ」と言って出ていったので少し安心した。

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