この季節になると現れるもの。
それがワラジ虫。
築数十年の僕の家には、毎年この季節になると、冬眠から覚めたワラジ虫が毎日遊びに来る。
僕は彼らに親しみを込めてワラちゃんと呼んでいるのだが、毎朝茶の間の床を歩いているところを発見すると、「やあ!」と声をかけ、優しくティッシュペーパーで包み、窓の外から全力で放り投げる。
僕は足いっぱい系男子が死ぬほど苦手なのだ。
以前もやったのだが、今日はワラちゃんがよく現れる台所の奥の狭い場所に入って、家の隙間をシリコンで埋める作業をした。
僕は閉所恐怖症なので、極端に狭い場所に入るのが苦手だ。
なんか幽霊屋敷に一人取り残されたような不安感に苛まれるのだ。
同じくらい苦手なワラちゃんとどっちが苦手か考えた結果、ワラちゃんの方がイヤだったので、意を決して台所の奥へ。
一応穴という穴を全て埋めたが、多分僕らには見えない小さい隙間からまた現れるだろう。
一体どこから現れるのだろうか。
茶の間に現れるワラちゃんの頭に超小型カメラを付けて、どこに入るのか観察したいくらいだ。
ただ僕の家から1kmほど山の方にいくと、今度は大量のヘップリちゃんが現れるそうなので、それよりかはマシなのだろう。