今日眠い目をこすりながら自分の部屋から一階に降りると、待ちに待ったモノが届いていた。
「ム、ムハー!」
と叫んで、梱包の段ボールとプチプチを引きちぎると、念願のオーディナリー型自転車が顔を出した。
か、かっこいい…
写真のシルエットだけでも昭和の世界感を彷彿とさせる。
俺より年上なだけあって、錆もかなりこびりついている。
その錆がまた、銭湯で湯船に向かうおっさんのたるんだケツのシワのようで粋だ。
ちょうど今コンビニにビールを買いに行く400mを試乗してみた。
なんて便利な乗り物だろう。
まるで400mが1kmに感じるような乗り心地だ。
はっきり言って一輪車以上に乗るのが難しい。
当時普通にこの自転車に乗っていた人たちは、何故徒歩の方が楽なことに気づかなかったのだろうか。
見た目、乗り心地、実用性。
全てが粋だ。
いつかこの自転車にアンティークのベルを付けてステージに登場したい。