投げた道具の落下地点を容赦なく変える強風。
大事な道具を勝手に使って野球を始める公園の子供たち。
技が決まる度に「はい、拍手~!」と大声で言って狂ったように手を叩くアル中。
ジャグラーにとって恐ろしいものはたくさんあるけれど、その中の一つに道具のドロップが挙げられる。
ドロップ。
簡単にいうと演じている道具をミスって地面に落下させてしまうこと。
大概道具を落とすと慌てて拾って演技をリスタートするのだが、それだとまだいい。
道具の扱いに手慣れてきた中級レベルになると、落としたことを認めたくないのか、出来もしない調子こいた拾い方とかしてしまって、結局連鎖的にドロップしまくって目も当てられない状態になってしまうことが多々ある。
片思いの女の子の前で屁をこいてしまって、口でブィブィ鳴らしてごまかす小学生に等しい。
逆にドロップを面白くしてしまう人はすごい。
自分はシビアなサーカスアクターや、究極の芸術美を求めているわけではないので、今後はドロップの練習もしていこうと思う。
3ボールで全部ドロップしてしまった時に近くに犬を散歩している人がいたら、落としたボールの代わりに、犬とその犬が出したウンコと飼い主を拾ってボールのようにお手玉しようと思う。