僕は以前カナダに1年間ほど滞在していたのだが、その時住んでいたマンションがカナダで一番治安の悪いスラム街の側のそばにあり、それはもう劣悪な環境だった。
家賃が異様に安いというだけで選んだのだが、内装と外装はものすごいボロく、6畳ほどの部屋にはタンスと洗面台とベッドのみ置いてあった。
お食事中の方には読んでもらいたくないのだが、シャワーとトイレは共同で、とんでもなく汚かった。
シャワー室にはなんと月一くらいでうんこが落ちており、当初はそれがイヤで、比較的綺麗な女子棟に忍び込んでシャワーを浴びていたものだ。
しかしそれにもだんだん慣れてきて、うんこが落ちていても、「ああ、うんこか」程度に思うだけで、サーっと流してそのままシャワーに入っていた。
シャワーを浴びてドライヤーをつけると、フロア全体の電源が突然落ちて真っ暗になった。
するとガチムチの黒人が部屋に入ってきて怒鳴られた。
なんでもマンションの電圧量が異様に低く、電源が落ちると3日間ほどフロア全体の電気が使えなくなるらしい。
むちゃくちゃである。
夜になると周りの住人がドアを開け放ち、マリファナを吸いながら大音量でヒップホップをかけ始めて眠れなくなる。
少しウトウトしてきたと思ったら、今度は部屋を伝う水道管から「ガン!ガン!」というものすごい音が響き渡り、目が覚める。
上の住人が水道を使うと、なぜか水道管から異音がなるのだ。
地獄である。
当然冷蔵庫などないので、窓を少し開いて窓際に買い置きのパンと牛乳を置いて冷やしておいた。
すると早朝に、バケモノみたいにデカいカモメがやってきてパンを奪っていく。
一度パンの引っ張り合いになったこともある。
まさに弱肉強食だ。
ある日マンションに帰ると、警察官がマンションを取り囲んで入れなかったことがある。
僕の部屋の2つ隣の住人が射殺されたらしい。
流石に震えた。
まるでこのマンションは、出入りが許されただけの刑務所だ。
そんなマンションに住んでいた経験もあり、僕は日本であればどんな場所でも暮らす自信がある。
例えどんなに治安の悪い場所だろうと、あのマンションに比べれば天国なのだ。
話は変わるが、今若者の間で「小屋暮らし」というものが静かなブームなのだそうだ。
部屋を賃貸したり家を建てたりせず、自分で土地を探して購入し、そこに手作りの小屋を建てて住んでしまうのだ。
このムーブメントに以前から少し憧れがあり、小屋暮らしに関する書籍を何冊か持っている。
次回はスラムで暮らした経験のある僕なりの小屋の定義を考えてみようと思う。
貴重なお話です!!
コロナで外国へ行くのも憚れますので、今後、若者に語りたいエピソードですね♪
ポリーさん
僕の周りでも、海外でしばらく暮らす予定がコロナで行けなくなった友人が多数います。
早く収束して海外進出する若者が増えてほしいです。