イガグリ君

最近公園に着くやいなや、車の方に走ってきて「ディアボロ貸してくださーい!」とやってくるイガグリ頭の小学3年生がいる。

彼は以前に貸してあげたディアボロが楽しかったようでいつも熱心に練習しており、だんだんと上達してきている。

だいたい仲間を5人くらい連れてきてディアボロを始めるので、僕のコマが全て無くなってしまう。

昨日いつものようにコマを貸してあげると、何やら仲間内で揉め事が始まった。

どうやら公園内で自転車に乗っていいのかダメなのかということで言い合いをしているようだ。

アキラくんという子が自転車に乗っていると、イガグリくんが、

「公園の中で自転車に乗るのは学校で禁止されているからダメなんだよ!」

と言うと、アキラくんは、

「いや、こないだお母さんに聞いたら乗ってもいいって言ってたから大丈夫なんだよ!」

と返していた。

「いや、お母さんがいいって言っても学校がダメって言うんだからダメなんだよ!」

「そんなことないよ!じゃあお母さんに電話して聞いてみるわ!」

と言って電話をすると、

「ほら、やっぱりお母さんはいいって言ってるよ!」

「いやいや、だからお母さんが良くったって学校がダメなんだって!」

「そんなことないよ!じゃあもう一回お母さんに電話してみるよ!」

「だからそういうことじゃないんだって!」

とラチがあかない様子を、僕は笑いながら見ていた。

結局この議題は周囲を巻き込んで大論争になっていた。

そこで僕がイガグリ君に、

「じゃあ公園にいる知らない人にコマを借りて遊ぶのはいいことなの?」

と少々意地悪なキラーパスを出してみると、イガグリくんは、

「お兄さんはもう何回も会ってるから知り合いだよ!知り合いからコマを借りるのはいいの!」と返ってきた。

彼の将来が楽しみだ。

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