ひいばあちゃんの話

昔同居していたひいばあちゃんがまだ生きていた時、小学校低学年だった僕はよくばあちゃんの部屋に忍び込んでいた。

ばあちゃんはヘビースモーカーだったんだけど、身体に悪いということで家族に止められていたため、僕がこっそりお金を貰って近所の自販でタバコを買って渡していた。

そしてお釣りは全てお小遣いとして貰うため、僕の貴重な収入源の一つとなっていた。

小さい頃は気づかなかったけど、よくよく考えてみたらタバコを買うにはいつも多めにお金をくれていた気もする。

またばあちゃんは死ぬほど耳が悪く、何か伝える時は耳元で絶叫していた。

あれがまた耳の悪さを助長させていたかもしれない。

そんなばあちゃんは大量の薬をオブラートに包んで日常的に飲んでいたんだけど、僕はそのオブラートが好きだった。

ばあちゃんの見ていない隙に5~6枚盗って、おやつ代わりにムシャムシャ食べていた。

そんなことをこないだ思い出し、なんとなくネットでオブラートを買ってみた。

一枚取って食べると、小学生の頃にオブラートを食べた時の記憶が蘇った。

きっとばあちゃんはこっそりオブラートを盗っていたことに気がついていたと思う。

そんなことを思い出して懐かしむと共に、僕はこれから残り99枚のオブラートを食べなければならないことに気づいた。

ひいばあちゃんの話」への2件のフィードバック

  1. ケロ

    なんか良いですね〜
    そういう思い出って。
    最後のオチも笑えますけど。

  2. calm 投稿作成者

    ケロさん
    久々にオブラートを食べたらおばあちゃんの味がしました笑

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